鴨川シーワールド(千葉)丨卵を抱くキングペンギン

      2016/10/08

鴨川シーワールドのペンギン4種

東京駅からバスに乗って2時間半、千葉県鴨川市の沿岸に降り立つ。飛沫をあげて海岸に迫る波に、きつい潮の香り、ギラつく太陽。粗野で荒々しいこの海岸沿いに、“海の世界との出会い”をコンセプトに掲げる鴨川シーワールドがある。

抱卵中のキングペンギン

鴨川シーワールドのキングペンギン

鴨川シーワールドのキングペンギン

ペンギンについての知識を深めるためには、個体数が多い水族館に行くといい。1羽でいるときよりも集団でいる時のほうが、ペンギンの様々な習性がよく現れる。
自然界のキングペンギンは、繁殖期に巨大なコロニーと呼ばれる集団を作ることで良く知られる。その巨大さが良く現れている写真があるのでご紹介しよう。下記に掲載するインスタグラムの写真は、サウスジョージアで写真家ポール・ニックリンが撮影したものである。

彼はインスタグラムの投稿で「この写真の中に何匹のキングペンギンがいるか、わかるかい?」と問いかける。おそらくほとんどのユーザーは、数秒も立たぬ内に「GIVE UP!!」と叫ぶだろう。1つのコロニーには、約1万羽のペンギンが生息しているとい言われている。
自然界の密集度には遠く及ばないが、鴨川シーワールドでもキングペンギンの小集団を見ることができる。14~15羽ほどいるだろうか。しばらく観察をすすめると、集団から少し離れた場所にいる4羽の様子が、他のものと違うことに気がついた。正座しているかのように見える独特なポーズ。体勢をじっとそのままに、周りをキョロキョロ見回して警戒してる。少しでも近づくものがあれば首を左右前後に振り、その長いクチバシで威嚇してみせる。

座っているかのように見えるキングペンギン

座っているかのように見えるキングペンギン

足の上で卵を抱くキングペンギン

足の上で卵を抱くキングペンギン

「もしかすると、卵を抱いているかもしれない!」そんな期待を胸に観察を続けること数十分、ついにその姿をとらえた。抱卵嚢(ほうらんのう)という腹部のだぶついた皮の下で、洋梨形の卵が1つしっかりと暖められている。巣を持たないキングペンギンは。ヒナが生まれてくるまでの約54日間、雄と雌とが足の上で代わる代わる卵を温める。先の警戒し合う様子は、自分の陣地と卵を守ろうとしての行動なのだ。

卵を抱えていないペンギンたちは、比較的穏やかな日々を過ごしているようだ。中でも人工の雪が降り積もる場所は、ペンギンたちのお気に入りのスポットになっている。1羽のキングペンギンが、雪の上に腹ばいになって眠りこけている。雪を枕にペンギンはどんな夢を見るのだろう。遠い故郷のコロニーや、魚の群れ・・・。ペンギンのくちばしが白い雪の中に埋もれてなお、雪は深々と降り続いていた。

雪の上で眠るキングペンギン

雪の上で眠るキングペンギン

換羽中のジェンツーペンギン

水槽内を急ぎ足であちこちに移動しているのは、ジェンツーペンギンだ。羽を後ろに広げてバランスを取りながら、小走りで移動する。水中となればその速度はさらに増し、カメラマン泣かせのスピードで急旋回を繰り返す。
せわしない仲間と対照的に、1羽のジェンツーペンギンが石像のようにじっとして動かない。妙に毛がモコモコとしている様子からして、換羽中のようだ。1年に1度の換羽は、全てのペンギンの成鳥に平等に訪れる試練の時だ。水に潜ることができず、あまり餌もたべず、じっと羽が生え変わるのを待つ。そうして手に入した新しい羽のおかげで、ペンギンは水中を飛ぶように泳ぐことができるのだ。

換羽中のジェンツーペンギン

換羽中のジェンツーペンギン

 

土の上で寝そべるフンボルトペンギン

屋外にいるフンボルトペンギンたちも、換羽シーズン真っ最中のようだ。プールには抜け落ちた毛が散乱し、ボサボサ頭の2羽が何やら鳴き交わしている。

「お前、換羽の進捗どうよ?」

「あと一息ってとこだな。」

そんな会話が聞こえてきそうな、ゆったりとした夏の午後であった。

鴨川シーワールドのフンボルトペンギン

鴨川シーワールドのフンボルトペンギン

大迫力!鴨川シーワールドのショータイム

鴨川シーワールドに来たならば、海獣たちのショーを是非みていただきたい。シャチ、ベルーガ、イルカ、アシカのショーは、各々個別のスタジアムで披露される。ここでは、筆者がとりわけ感動したシャチとベルーガのパフォーマンスについてご紹介しよう。

最強の海獣シャチのショー

鴨川シーワールドの最大の目玉といっても過言ではないシャチのショー。見とれてしまうのは、シャチのビッグボディーばかりではない。人とシャチの息のあったプレーは圧巻の一言に尽きる。体操選手にも劣らぬバランス感覚を持つトレーナーたちが、シャチの鼻先で美しい演技とダイナミックなジャンプを披露する。技が成功するたびに、その裏でどれだけの練習を重ねたのかと胸が熱くなる。
千葉の大海原を背にシャチが舞い、人が舞う。次から次へと繰り出される多彩な演技に、観客はみな惜しみない拍手を送っていた。

※特にお休みの日は立ち見がでる混雑ぶり。座席を確保したい場合は、30分以上前の入場がおすすめ。

鴨川シーワルードのシャチのショー

鴨川シーワルードのシャチのショー

シャチと一緒に宙を舞うインストラクター

シャチと一緒に宙を舞うインストラクター

バブルリングを連発するベルーガのショー

筆者にとってペンギンと1、2を争うほどに好きな生物、それが「ベルーガ」だ。大きな身体に似合わぬ柔和な顔立ちや、凹凸のないツルンとしたフォルム、真っ白なすべすべお肌など、好きなポイントを挙げれば枚挙にいとまがない。

鴨川シーワールドのベルーガ(白イルカ)のショー

鴨川シーワールドのベルーガ(白イルカ)のショー

ベルーガの特徴の1つに、前頭部のメロンという脂肪組織が挙げられる。これはベルーガ同士のコミュニケーションに欠かせない大切な組織で、感触は見た目通りというべきか相当に柔らかい。トレーナーがメロンにタッチすると、プルンプルンと波打つように頭部が揺れている。

ベルーガのメロンをぷにぷにと触るインストラクター

ベルーガのメロンをぷにぷにと触るインストラクター

ベルーガが披露するパフォーマンスは大変可愛い。口を大きくあけて、すっとしぼめた次の瞬間…出ました!人呼んで「幸せのリング」。これが見たかった。

ベルーガが作るバブルリング

ベルーガが作るバブルリング

南極のペンギンに北極のベルーガ。鴨川シーワールドは、その両者がわずか数メートルの距離にいる。水族館を巡る旅、それは世界の海を股にかける冒険なのだ。

鴨川シーワールド(千葉)の基本情報

●鴨川シーワールドの公式ホームページ
http://www.kamogawa-seaworld.jp/

●鴨川シーワールドのペンギンの種類
キングペンギン
ジェンツーペンギン
イワトビペンギン
フンボルトペンギン

●鴨川シーワールドのイベントスケジュール
ショーのスケジュールは日によって異なります。詳しくは公式サイトへ

●鴨川シーワールドの営業時間
日によって異なります。詳しくは公式サイトへ

●鴨川シーワールドの入場料
大人:(高校生を含む)2,800円
小人:(小学生〜中学生)1,400円

●鴨川シーワールド(千葉)へのアクセス

【東京→鴨川シーワールドの場合】
・電車(2時間)
JR東京駅→(特急わかしお)→JR安房鴨川駅→(無料送迎バス約10分)→鴨川シーワールド

・バス(2時間)
入園券とバス乗車券をセットで買うと、通常料金と比べて合計で2,000円程度割安。バスの乗車券は東京駅の八重洲北口で販売されている。乗車場所は東京駅の八重洲南口。
詳しくは公式サイトへ

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