京急油壺マリンパーク(神奈川県三浦市) 丨 イワトビペンギンとのふれあいイベント
2017/04/14
目次
DAIGOさんが育てたイワトビペンギンの「ペンペン」
人生初の“出待ち”を、油壺マリンパークでするとは思わなかった。
「ヒタ、ヒタ、ヒタ‥。」扉の奥から小さな足音が、一歩、また一歩と近づいてくる。“ペンギンクラブ”のカードを首からさげた10名の眼差しが一斉に扉へと向かう。
まず最初に、きれいなピンクの足先がチラッと覗く。続いてふっくらとした丸いお腹に赤い目とクチバシ。目の上には眉のような黄色い飾り羽が立派に広がっている。その可愛らしい姿に「ひゃあ」とも「はー」ともつかない小さな歓声があがる。
イベントに登場したのは、「ペンペン」という名のペンギンの女の子。「天才!!志村どうぶつ園」の企画で、ロックシンガーのDAIGOさんが育てたことで一躍有名になったイワトビペンギンだ。
イベントは土・日・祝日に開催されており、参加費用は1人500円。参加券は当日の朝9時からチケット売り場で販売される。定員が先着10名と限られているので、参加者全員がペンギンとしっかり触れ合うことができる。握手や写真撮影、それにお触りまでOKとくれば、ペンギン好きが興奮しないわけがない。
「お腹と背中に優しく手を添えるような形で、触れてみてください。」
飼育員さんにそう教えてもらい、そーっと手を伸ばす。お腹に触れるとじわっと温かい体温を感じて、愛おしい気持ちがこみ上げる。背中の毛はやや固めで、ざらざらとした感触だ。フリッパー(羽根)は、まるで針金が入っているかの如く硬い。なるほど、水中での推進力を生み出すのに申し分のないつくりだ。
イワトビペンギンはペンギンの中でも気性が荒いほうだと聞くが、「ペンペン」は特に嫌がる様子もなく非常におとなしい。育て親のDAIGOさんに似て、おっとりした性格になったのかもしれない。
最後に一緒に記念写真を撮り、固い握手(羽)を交わしたところでふれあいタイムは幕を閉じた。
岩場やプールで遊ぶイワトビペンギン
イワトビペンギンはジャンプの達人として有名だ。高低差のあるゴツゴツとした岩場もなんのその、ピョンピョンと飛ぶように移動する。野生のコロニー(繁殖地)は、険しい岩棚や雑草に覆われた断崖に作られることが多い。そんな野生の習性を考慮して、油壺マリンパークのペンギン島には、石を高く積み上げた岩場が設けられている。
頂上付近はペンギンたちのお気に入りの場所らしい。青空を背景に自慢の冠羽を広げた姿が、実に勇ましい。
岩場の下には一面にプールが広がっている。午前中は特にペンギンたちの活動が活発なのか、2つのプールを繋ぐ橋は渋滞しているようだ。
水深の深いプールでは、ペンギンたちがスピードに乗って勢いよく空中ジャンプを繰り返している。その姿はまるで、大空に打ち上がる大砲のようだ。
野生のイワトビペンギンたちが行き来する海岸の岩場には、波が勢い良く打ち付け、滑りやすい海藻が生息していることも多い。ペンギンたちは漁から巣に戻る度に、毎回こうした難所を通り抜けなければならない。水の中を進む推進力と岩場をしっかり捉える脚力、その両方を兼ね備えてやっと一人前のイワトビペンギンと言えるのだろう。
陸に上がったペンギンが、プルプルっと体の水を払う。
「あぁ、今日もよく泳いだ。」そう言いたげに、気持ちよさそうに伸びをする。濡れた体は照りつける夏の太陽が乾かしてくれるだろう。
イワトビペンギンのお食事タイム
「ぺ」と書かれたバケツを携えて一人のお姉さんが登場すると、ペンギンたちの興奮は最高潮に達する。岩場をピョンピョンと軽快に飛びながら、お姉さんの元へ一直線に駆けていく。
バケツの中には、ペンギンたちが大好きな魚が入っている。飼育員の膝の上に乗って甘えてみたり、背後でじっと待ってみたり、魚を獲得するための戦略は1羽ごとに違うらしい。
慣れた手つきでバケツからヒョイヒョイとお魚を出しながら、飼育員のお姉さんが言う。
「私の周りに集まってこないペンギンたちも、お腹が空いていないわけではないんです。私がそのうち下に降りていくことを知っていて、自分は動かずに待っているんですね。」
ペンギンにも横着者がいる。そんな微笑ましいエピソードに、観客席のあちこちから笑い声が漏れた。
ペンギンのキャラクターも登場!油壺マリンパークのイルカショー
様々な生き物が出演するショーで、俳優を務めているペンギンがいると聞いて観劇に赴いた。劇場の垂れ幕が上がっていよいよショーが始まる。
時は戦国。平和を愛するペンギン武将の元に、戦火の知らせが届く所から物語はスタートする。戦に備えて準備を進めるのは、忠実なる家臣のイルカにアシカ、フンボルトペンギンだ。
彼らは持ち前の武術に磨きをかけ、戦いを制することができるのか?ストーリー性のある30分間のショーは見応えたっぷり。レトロな雰囲気が漂う劇場へ、是非とも足を運んでいただきたい。
“みさきまぐろきっぷ”でお得に三崎港巡り
都内から油壷マリンパークへ電車で行くには、「みさきまぐろきっぷ」という切符を利用するのがおすすめだ。交通費(往復)・レジャー施設利用券・お食事券がついて、一人約3,000円と非常にお買い得である。
レジャー施設は「油壺マリンパーク」をはじめ、「観潮荘油壺の湯」という温泉、水中観光船「にじいろさかな号」など、複数のラインアップの中から好きなものを1つ選んで利用できる。食事券に至っては、25店舗から好きなお店を選べるという贅沢さが売りだ。
私は、三崎海岸の近くにある「廻転寿司 海鮮」でお食事券を利用した。まぐろ各1貫(大ト口、中ト口、ビント口、赤身、胃ゼラチン)・地魚6貫に、ソフトドリンクまたはビールがつくという豪華メニュー。その全てが、一瞬で我が胃袋へ消えていったことは言うまでもない。まるで、魚を丸呑みするペンギンのように。
◆レジャー施設一覧はこちら
※夏場の「観潮荘油壺の湯」は海水浴客で混雑しているため、事前に整理券を取得しておかないと入れません。
◆選べるマグロ食事券一覧はこちら
※油壺マリンパーク内の食堂でもお食事券が使用できます。
Text:水鳥 るみ(フリーランスライター)
油壺マリンパーク(神奈川県)の基本情報
●油壺マリンパークの公式ホームページ
http://www.aburatsubo.co.jp/
●油壺マリンパークのペンギンの種類
イワトビペンギン(キタイワトビペンギン)
フンボルトペンギン(イルカショーに出演)
●油壺マリンパークのイベントスケジュール
イワトビペンギンをはじめ、イルカ、アシカ、カワウソなどのふれあい体験あり。
詳細は公式サイトへ
●油壺マリンパークの営業時間
9:00〜17:00
詳細は公式サイトへ
●油壺マリンパークの入場料
大人:1,360円
中学生:1,040円
小学生:680円
幼児(3歳以上):360円
※みさきまぐろきっぷ利用可能
●油壺マリンパークへのアクセス(都内から電車の場合)
〒238-0225 神奈川県三浦市三崎町小網代1082
【電車/約65分】品川→三崎港
【バス/約15分】三崎港駅1番乗り場→油壺バス停
※みさきまぐろきっぷ利用可能
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