フィヨルドランドペンギン (キマユ)【特徴・生態】
2015/02/14
目次
フィヨルドランドペンギンの特徴
フィヨルドペンギンは、トサカがあるマカロニペンギン種の中でもっとも臆病なペンギン。
繁殖地は、世界自然遺産に選ばれたフィヨルドランド国立公園(ニュージーランドの南西)。
森に住むペンギンと聞けば、ピンと来るペンギンだ。
繁殖時期が冬なのは、このフィヨルドランドペンギンと皇帝ペンギンだけなのだ。
フィヨルドランドペンギンの画像
フィヨルドランドペンギンの生態
基本情報
【英名】Fiordland penguin (和名:キマユペンギン)
【学名】Eudyptes pachyrhynchus
・種小名パキリンクス(pachyrhynchus)は「分厚いクチバシ」という意味である。
【分布】ニュージーランド
【体長】40cm~55cm
【潜水能力】不明
【餌】主なエサは甲殻類や小さな魚、イカなど
【繁殖行動】7月になるとオスは最初に営巣地にやってきて、その2週間後にメスが到着する。メスがやってきてほどなくして繁殖し、メスは2個の卵を産卵する。
【最初の繁殖時期】3〜5歳でコロニーに戻る。5〜6歳になると繁殖を開始する。
【寿命】野生最高16歳以上
【天敵】ニュージーランドクイナ(ウェカ)、人間が持ち込んだテン・ネズミ・イヌ、寄生虫
生息地
ニュージーランド南西のフィヨルドランドからスチュアート島にかけて生息している。
分散
3月初旬から6月まで、繁殖地から離れる。
外観
フリッパーの長さ
18.5 cm オス | 17.8 cm メス
くちばしの長さ
5.1 cm オス | 4.5 cm メス
体重
2.5~4.8kg
[換羽初期] 4.9 kg オス | 4.8 kg メス
[換羽後期] 3.0 kg オス | 2.5 kg メス
トサカ(飾り羽)
金色の飾り羽は、スネアーズペンギンに似て、後頭部で垂れ下がっている。
目の下に白い羽毛の筋が何本もある。この特徴が、スネアーズペンギンと見分けるコツ。
フィヨルドランドペンギンのトサカは、短く、緻密で、眉頭から生えているので、太眉を連想させる。
一方、マカロニペンギンやロイヤルペンギンのトサカは、長い1本1本が、頭部の中心から左右に向かって生えている。緻密ではない。
クチバシ
クチバシは太く。その付け根に裸出した皮膚はない。
スネアーズペンギンのクチバシのほうが太い。
ヒナ(赤ちゃん)
ヒナは、頭部、喉、背中が濃い茶色、腹部が白色。
巣立ちヒナには、短い冠羽がある。
習性と行動
採餌
日中に、単独または小さな群れで採餌する。繁殖地から10km圏内の沿岸で採餌すると考えられている。
攻撃行動
攻撃的になると、頬をふくらませ、白色の線模様を目立たせる。
巣作り
巣は、入江、フィヨルド、岬の海岸に沿った熱帯雨林の中。
巣は、急斜面を上がった高台にあるシダ類の中や倒木の下や空洞などに作る。岩場では、岩の割れ目や空洞の中に巣を構える。
巣は単独。まれにコロニー。巣への固着性が非常に強い。
換羽
成鳥は、巣の近くで約3週間かけて換羽する。ヒナは、換羽してから巣立つ。
繁殖
・(繁殖期)オスが戻ってくる6月に始まる。
3から6月にかけて繁殖地を離れる。6から7月に戻ってくる。
・(産卵期)7月の末までにほとんど完了する。卵は2個。
・(抱卵期)
ふつう第一卵は孵化せず、第二卵が孵化する。まれに第一卵が孵化するが、この場合、小さいヒナは親から給餌を受けられず、多くが生きられない。
・(育雛期)
オスは、ヒナを足の上に置き、抱卵斑に当て保温して守る。その間、メスが、ヒナに給餌しつづける。メスが、採餌のために海に行く。
・(クレイシ期)
ヒナは、孵化後、約3週間になると、歩きまわり、クレイシに加わる。
クレイシは、ヒナが集まっているだけである。給餌のときは、ヒナはクレイシから呼び出される。
・(巣立ち)11月。孵化後60から80日。
生後10週齢くらいになると、ヒナは、陸を離れ海に出て行く。
生息状況
・危急種 (VU 2012年 レッドリスト)
・推定個体数:2,000~3,000 繁殖つがい(1998年)
フィヨルドランドペンギンの関連動画
フィヨルドランドペンギンに出会える日本の水族館
現在、飼育されていません。
フィヨルドランドペンギンに似ているペンギンたち
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