サンシャイン水族館(東京池袋)丨 空飛ぶペンギンウオッチング!

ケープペンギンへの餌やり

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サンシャイン水族館で人気のマリンガーデンが、2017年の7月にリニューアルオープンを果たした。ビルの屋上に設置された巨大なプールの中で、ペンギンたちはビルを背景に飛び交っている。その泳ぐ姿は、まるで空を飛ぶペンギンのように見えるという。

水面に浮かぶケープペンギン

幼い頃、私は頻繁に空を飛ぶ夢を見た。最初はただひたすらに走り、徐々に歩幅を大きくして、そのまま力強く大地を蹴ると、体が宙にふわりと浮いた。目を覚ますと脳がグワンと揺れる感覚がして、「本当に自分は飛んでいたのかもしれない」と楽しい気持ちになったものだ。

人は生まれながらにして、空への憧れを抱いているのだろうか。SF映画が描く未来では、車や人やロボットが空を縦横無尽に飛び交っている。飛べないものが空を飛ぶのが未来だとすれば、私は未来の最先端を「サンシャイン水族館」で発見した。

飛んだのは、ペンギンである。

サンシャイン水族館のケープペンギン、都会の空を飛ぶ!

サンシャイン水族館の空飛ぶペンギン

超高層ビル群が立ち並ぶ池袋の中心部に、サンシャイン水族館は建っている。
10階建てのビルの屋上という立地だけに、生き物の飼育数や展示の規模は地方の水族館にかなわない。

しかし、そんな立地を逆手にとった新展示が2017年7月からスタートした。リニューアルの目玉は、屋外マリンガーデンの”空飛ぶペンギン”である。

下から見上げる天空のペンギン水槽
空飛ぶペンギンを展示する幅約12メートルの巨大水槽は、その形からしてユニークだ。「天空のペンギン」と名付けられたプールは、来場者の頭上に大きくせり出すようにカーブしていて、私たちはペンギンが泳ぐ姿を真横や真下からじっくり眺めることができる。
水槽の奥に透けて見えるのは、無機質な都会のビル群である。透明な水槽の中を気持ちよさそうに泳ぐペンギンの姿は、まるで大空を羽ばたく鳥のようだ。

ケープペンギンへの餌やり

最もエネルギッシュにペンギンが泳ぐのは、「ペンギン・ダイビング」という餌の時間である。
水の中に投げ入れられる魚を、ペンギンたちは素早く見つけて丸呑みする。ペンギンは翼を動かしながら水中を進み、足で方向を制御する。水中に豊かな漁場を見つけた彼らは、空を飛ぶ代わりに海を飛ぶことにしたのだ。

水に浮かぶケープペンギン

青空を背景にペンギンが泳ぐ姿を見上げてみた。
ペンギンたちの動きにあわせて、水は光を反射してキラキラと揺らぎ、まるで海の底からペンギンを見つめている気分になる。

人に近寄ってくるペンギン

飛ばないペンギンをあえて飛ばす試みは、私たちとペンギンの距離を近づけた。サンシャイン水族館が本当に展示したかったのは、生き物と人が共存する大都市の未来なのかもしれない。

故郷アフリカをモデルにした「草原のペンギン」

サンシャイン水族館の草原のペンギン

空を飛ぶ近未来的な「天空のペンギン」を展示する一方で、そのすぐ脇には彼らの故郷を再現した「草原のペンギン」エリアが広がっている。ここで暮らすペンギンはケープペンギンという種類で、その故郷は遠くアフリカだ。彼らが暮らすケープタウンには砂浜が広がり、近くには草が生い茂る場所がある。

密集して歩くケープペンギン

ゴツゴツとした岩場を、ペタペタと数羽で行進するペンギンたち。陸で見せるリラックスした表情も、ペンギン好きとしては見逃せない。

ケープペンギンのヒナ「ポッカ」
2017年に誕生した2羽のヒナたちも、ここ「草原のペンギン」エリアですくすくと育っているようだ。成鳥のようにはっきりとした模様はまだなく、首周りがモチっとしているのが特徴である。
「ペンギン・フィーディング」というイベントでは、飼育員さんの解説を聞きながら、餌を食べるペンギンの姿を見ることができる。ヒナたちの紹介もあるのでお見逃しなく!

夜のマリンガーデン
夕暮れ時になると、マリンガーデンの雰囲気は一変する。「草原のペンギン」エリアはイルミネーションに彩られ、ビルの背景とあいまって神々しい。

ペンギンたちのナチュラルな姿を見たいなら昼に、ロマンティックなムードがお好きな方は夜に、それぞれのペンギンタイムをお楽しみ頂きたい。

マリンガーデンの仲間たち

サンシャイン水族館のモモイロペリカン

マリンガーデンの中でも一際目立つ存在なのが、こちらのモモイロペリカン。「天空のペンギン」水槽から伸びる全長約30メートルの「天空パス」が、彼らの専用通路であり遊び場である。

ペリカンの正面顔

長い通路を行き交うペリカンたちは、ときに様々な表情を見せてくれる。中でも私のお気に入りは、この愛くるしい正面顔。このつぶらな瞳に、何人の来場者が吸い込まれたことだろう。

ペリカンだけでももちろん可愛いが、ペンギンとのコラボレーションも見逃せない。「天空パス」と「天空のペンギン」エリアを繋ぐ扉がオープンし、続々とペリカンたちがプールの中へなだれ込むと・・・

ペリカンとペンギンのエサ取り合戦

その後は、両者入り乱れての魚捕り大合戦!
大きな喉袋を網のように使って魚を追うペリカンの下に、おこぼれに預かろうとするペンギンが飛んでくる。

このコラボは「ペリカン・フィーディング」というイベントで見ることができるので、是非チェックしていただきたい。

 

Text:水鳥 るみ(フリーランスライター)

サンシャイン水族館(東京・池袋)の基本情報

下記の情報は、2017年7月現在の情報です。

●ホームページ
http://www.sunshinecity.co.jp/aquarium/index.html

●ペンギンの種類
ケープペンギン

●営業時間
4月1日~10月31日 10:00~20:00
11月1日~3月31日 10:00~18:00
※最終入場は終了1時間前/春や夏休みには時間の延長あり。詳細はサンシャイン水族館のホームページへ

●入場料
大人・高校生:2,200円
中・小学生:1,200円
幼児:700円

●ペンギンのお土産
ペンギングッズの特設コーナーもある中々の充実ぶり。

サンシャイン水族館のお土産グッズコーナー
サンシャイン水族館のお土産グッズコーナー
サンシャイン水族館のペンギンお土産「ウォールステッカー」
サンシャイン水族館のペンギンお土産「ウォールステッカー」
サンシャイン水族館のお土産「ペンギンクッキー缶」
サンシャイン水族館のお土産「ペンギンクッキー缶」

●サンシャイン水族館へのアクセス
〒170-0013 東京都豊島区東池袋3-1-3 サンシャインシティ

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