アデリーペンギン【特徴・生態】

      2015/02/14

アデリーペンギンの特徴

アデリーペンギンは、「Suicaペンギンのキャラクターになっている」といえばイメージが湧くでしょう。
目の周囲にある白色のアイリングと、白黒のツートンカラーが特徴的。
また表情が豊かなのも、キャラクターにしやすい特徴でもあります。

アデリーペンギンは、日本人がとても親しみやすいペンギンなのです。

アデリーペンギンの写真

アデリーペンギンの大人の写真

アデリーペンギンの大人の写真

アデリペンギンヒナ

アデリーペンギンのヒナの写真 pratt via photopin cc

アデリーペンギンの生態

基本情報

【英名】Adelie Penguin
【学名】Pygoscelis adeliae

・種小名アデリアエ (adeliae) は「アデリーさんの」という意味。南極大陸のアデリーランドという島名と同様に、フランスの南極探検家デュモン・デュルビル体長の婦人の名前にちなんで命名された。

【分布】南極大陸
【体長】60cm~70cm
【潜水能力】最大潜水深度は170m。採餌の潜水深度の中間値は6.1~10.9m
【餌】ナンキョクオキアミ等の甲殻類、魚、イカ、タコ
【繁殖行動】10月〜2月までの短期間の繁殖サイクル。2個の産卵
【最初の繁殖時期】早い個体では、メスが3歳、オスが4歳
【寿命】約20年
【天敵】ヒョウアザラシ、オオトウゾクカモメ

生息地

アデリーペンギンは、南極大陸とその沿岸の周囲にある島々に生息している。
南極大陸以外での繁殖地は、サウス・シェットランド諸島、サウス・サンドウィッチ諸島、ブーベ島、スコット島、バレニー諸島、ピーター1世島などがある。

繁殖は、南極大陸の海岸と、周辺の島の海から容易に近づける露岩(夏期、雪や氷が溶けて地面が露出する場所)上で行う。

分散

放浪個体は、亜南極の島々、ニュージーランド、オーストラリアまでやってくる。

外観

冠羽

後頭部に冠羽があり、ディスプレー(誇示行動)のときにはこの冠羽が立ち、頭部の輪郭が角張る。
参考:ペンギンズの隊長(映画「マダガスカル」に出演のキャラクター)

目は茶色。目の周囲の独自の白色のアイリング(白い輪)がある。

フリッパーの長さ

19.2 cm オス | 18.9 cm メス

くちばしの長さ

4.0 cm オス | 3.6 cm メス
黒色のくちばしは短く、寒さから守るために羽毛で覆われている。

体重

3.7〜6.0kg
[繁殖地への帰還時] 5.3 kg オス | 4.7 kg メス
[産後] 4.3 kg オス | 3.8 kg メス

ヒナ(赤ちゃん)

ヒナの羽毛は、密でふわふわした濃い灰色。巣立ちヒナは、成鳥で見られるような白いアイリングがない。

習性と行動

採餌

抱卵期のあいだは長期間の採餌に出かける。餌が豊富な流氷のない、流氷帯の沖合の海域まで出かけることがある。
ヒナに餌を与える育雛期では、採餌を短時間かつ近場で行う。

上陸

時速25kmのイルカ泳ぎで氷縁まで近づくと、水中を高速で接近し、海面から2mを超す氷の上に飛び上がる。頑丈な足の爪で氷を掴み、体を固定する。

移動

内陸の繁殖コロニーまで徒歩で移動する。途中、時速4kmの移動速度のトボガンで移動することによってエネルギーを節約する。

性格

アデリーペンギンは、臆病なジェンツーペンギンと違う。人間が接近しても逃げ出さないで立っている。またオオトウゾクカモメに対しても攻撃的に行動する。

ディスプレー

アデリーペンギンのディスプレーはよく研究されている。威嚇する際は頭の羽毛を立てる仕草がよく見られる。「直接にらみ」「固定された横にらみ」「かがみこみ」などがある。

巣作り

巣は、海岸地帯の地肌が露出している場所に小石を積み上げて作る。
より高く積み上げた巣の方が繁殖の成功する可能性が高い。
巣は、クチバシでつつき合えるくらいに隣の近くに作られる。

繁殖地に10万ものペンギンが集まると、巣作りに使える小石はたちまち不足してしまう。
近くの巣や放棄された巣から石を盗んでくる。この盗む行為は頻繁に行われている。

換羽

成長と巣立ちのヒナは、海岸、海氷上、氷山の物陰で、3週間かけて換羽する。

繁殖

・(繁殖期)10〜2月までの短期間。
生まれた繁殖地に戻ってくる。内陸に100km以上移動してコロニーに到着する。
コロニーには最大50万羽もの個体がいる。
ツガイの絆は非常に強い。アデリーペンギンにとって巣は再会の場である。
・(産卵期)11〜12月初旬。1ヶ月以上にわたる。
コロニー到着後12日で産卵が開始。1回の繁殖で2個の卵を産む。
つがいの両方とも約3週間の絶食をしている。
・(抱卵期
オスが最初の抱卵を担当する。コロニー到着時のオスの体重はメスよりも重い。オスは、メスが採餌に海へ行っている間、4〜6週間の絶食を耐えるだけの体力を持っている。
強烈な吹雪になるとアデリーペンギンは雪に埋もれてしまうが、卵を抱卵し続ける。

アデリーペンギンは、足の上で抱卵する点が皇帝ペンギンキングペンギンに似ているが、直立して抱卵しない点が異なる。他の種のペンギン同様に、卵の上にかがみ込んだ腹ばいの姿勢で、卵を覆うようにする。
・(クレイシ期
孵化後も、22日間は、親鳥が交代で世話をする。
ヒナは、3週間ほどで綿羽が生えかわり、クレイシを形成する。クレイシは5〜20羽の小規模からなる。
・(巣立ち
気候が安定していて、餌が豊富な年には、ヒナが2匹育つ。
ヒナは、約7〜8週間でコロニーから巣立ちする。

生息状況

・準危急種 (2012年 レッドリスト)
地球温暖化によって個体数が減っている繁殖地もある。
・推定個体数 2,610,000 繁殖つがい 10,000,000 幼鳥 (Croxall 1985年 from 国立極地研究所)

アデリーペンギンの関連動画

アデリーペンギンに出会える水族館

アドベンチャーワールド(和歌山県)
名古屋港水族館(愛知)
横浜・八景島シーパラダイス(神奈川県)

アデリーペンギンに似ているペンギンたち

 - ペンギン種類

        

スポンサーリンク

スポンサーリンク

  関連記事

ガラパゴスペンギンの大人の写真
ガラパゴスペンギン【特徴・生態】

【ガラパゴスペンギンの特徴・生態】ガラパゴス諸島にのみ生息するレア種 | 英名・学名・分布・体長・餌・潜水能力・寿命・天敵・生息地・外観・習性と行動・繁殖・生息状況・展示されてる水族館について解説する。

イワトビペンギンの大人の写真
イワトビペンギン【特徴・生態】

【イワトビペンギンの特徴・生態】陸上でピョンピョン飛び跳ねるペンギン | 英名・学名・分布・体長・餌・潜水能力・寿命・天敵・生息地・外観・習性と行動・繁殖・生息状況・展示されてる水族館について解説する。

ロイヤルペンギンの大人の写真
ロイヤルペンギン【特徴・生態】

【ロイヤルペンギンの特徴・生態】白色の顔に金色の冠羽が美しいペンギン | 英名・学名・分布・体長・餌・潜水能力・寿命・天敵・生息地・外観・習性と行動・繁殖・生息状況・展示されてる水族館について解説する。

ヒゲペンギンの大人の写真
ヒゲペンギン【特徴・生態】

【ヒゲペンギンの特徴・生態】あごのヒゲ模様が可愛いペンギン | 英名・学名・分布・体長・餌・潜水能力・寿命・天敵・生息地・外観・習性と行動・繁殖・生息状況・展示されてる水族館について解説する。

向かい合うキングペンギン
キングペンギン (王様・オウサマ)【特徴・生態】

【キングペンギンの特徴・生態】2番目に大きなペンギン | 英名・学名・分布・体長・餌・潜水能力・寿命・天敵・生息地・外観・習性と行動・繁殖・生息状況・展示されてる水族館について解説する。

シュレーターペンギンの大人の写真
シュレーターペンギン【特徴・生態】

【 シュレーターペンギンの特徴・生態】トサカがブラシのように直立している唯一のペンギン | 英名・学名・分布・体長・餌・潜水能力・寿命・天敵・生息地・外観・習性と行動・繁殖・生息状況・展示されてる水族館について解説する。

コウテイペンギン
皇帝ペンギン(エンペラー・コウテイ)【特徴・生態】

【皇帝ペンギンの特徴・生態】世界最大のペンギン | 英名・学名・分布・体長・餌・潜水能力・寿命・天敵・生息地・外観・習性と行動・繁殖・生息状況・展示されてる水族館について解説する。

フンボルトペンギンの大人の写真
フンボルトペンギン【特徴・生態】

【フンボルトペンギンの特徴・生態】水族館・動物園でポピュラーなペンギン | 英名・学名・分布・体長・餌・潜水能力・寿命・天敵・生息地・外観・習性と行動・繁殖・生息状況・展示されてる水族館について解説する。

キンメペンギンの大人の写真
キンメペンギン (キガシラ)【特徴・生態】

【キンメペンギンの特徴・生態】絶滅危惧種・黄金色の目と頭の黄色のライン模様が特徴的 | 英名・学名・分布・体長・餌・潜水能力・寿命・天敵・生息地・外観・習性と行動・繁殖・生息状況・展示されてる水族館について解説する。

マカロニペンギンの大人の写真
マカロニペンギン【特徴・生態】

【マカロニペンギンの特徴・生態】金色の冠羽とでかいクチバシが特徴 | 英名・学名・分布・体長・餌・潜水能力・寿命・天敵・生息地・外観・習性と行動・繁殖・生息状況・展示されてる水族館について解説する。