熱海トリックアート迷宮館 丨おもしろペンギン写真を旅の思い出に!
2017/04/19
目次
まだ見ぬペンギンを求めて、横浜から快速アクシー号に乗り込む。ただし今回の旅の目的は、リアルなペンギンに会うことではない。”芸術の秋”にふさわしく、ペンギンアートを楽しむことである。
トリック仕掛けのペンギンアート
快速に乗って1時間が過ぎようとする頃、熱海の駅に到着した。駅前の足湯で温まりながら、無料の観光マップに目を通す。今回の旅の目的地である「トリックアート迷宮館」は、熱海城に隣接している。熱海随一の眺望を謳う城を目指して、「湯~遊~バス」という観光バスに乗り込んだ。熱海の名所や旧跡を中心に巡回しているこのバスは、1日乗り放題で700円(1回乗車は250円)。トリックアートはもちろん、主要な観光名所のほとんどが巡回コースに入っている。
「湯~遊~バス」の社内では、車窓を流れる景色にあわせて軽妙なトークが繰り広げられる。バスガイドを務めるのは、地元のおじいちゃんやおばあちゃんのボランティア。独特のリズムを持つその口調は、まるでラジオの如く耳に心地よい。熱海についての知識もいよいよ深まったところで、お目当ての熱海城とトリックアート迷宮館に到着した。
☆湯~遊~バスの公式サイトはこちら
ペンギンがお出迎え、ようこそ迷宮館へ
トリックアート迷宮館へ続く道に行列が出来ている。入場待ちの列には20〜30人ほどいるだろうか。「大分待ちそうだなぁ〜」としかめっ面になりかけたところで、ふと入り口の壁画が目に入る。歓迎のご挨拶とばかりに佇む彼らを前に、頬が緩まないわけがない。ドーンと大きなセイウチの下に、キングペンギン、アデリーペンギン。それに…ネコ??
これぞ迷宮館。その名に違わぬ異種混合っぷりに、思わずにやりとしてしまう。
イワトビペンギン前、落とし穴に要注意
迷宮館の内部は不思議な空間だ。あちらの扉やこちらの壁から、動物・魚・恐竜までもが飛び出してくる。どうやらここの生き物は、じっとしていられない性分らしい。もちろんペンギンも例外ではない。
「ここは北極?それとも南極?」
「そもそもイワトビペンギンは、南極にすら住んでないよ〜」
ペンギン好きであるが故に抱くマニアックな疑問は、この胸の内に秘めておこう。なにしろここは迷宮館なのだから。時空だって簡単にゆがんでしまうのだ。
さて、写真を見て何か物足りない、と思われる方はいるだろうか。実のところ、このアートはあなたが氷の割れ目に落ちることで完成する。背後に迫るシロクマ、素通りするペンギン、氷の割れ目に落ちる人。シュールレアリスムの世界へ一歩踏み込んだかのようなアート体験を是非楽しんで頂きたい。
皇帝ペンギンとアデリーペンギンのマジック小部屋
小さな箱のような部屋の前に、数人が列を成している。聞けば、中で面白い写真が撮れるという。小部屋の住人は、皇帝ペンギンとアデリーペンギンだ。この2種とツーショットを撮れるなんて、迷宮の世界はどこまでペンギン好きに優しいのか。
この写真もまた、アートとしては未完成である。ペンギンの両サイドに人が立ってはじめて、トリックの妙がわかる仕組みだ。面白いので是非試していただきたい。
熱海トリックアート迷宮館(静岡)の基本情報
●熱海トリックアート迷宮館の公式ホームページ
http://atami-trickart.com/
●熱海トリックアート迷宮館の入場料
大人:900円(熱海城とのセット券は1500円)
小中学生:450円(熱海城とのセット券は700円)
※湯~遊~バスに乗ると、入場料100円(小中学生は50円)引き
※トリックアートのチケットは、熱海城のチケット売り場で販売。トリックアート館内での販売はないので注意。
●熱海トリックアート迷宮館の開館時間
9:00〜17:00(入館は16:30まで)
●熱海トリックアート迷宮館のお土産
小説家が愛した熱海
浪漫あふれる名建築<起雲閣>
トリックアート迷宮館と並んでおすすめしたい観光スポットの1つ「起雲閣」。1919年に建設された起雲閣は、大富豪の別荘や旅館を経た後、現在は熱海市の文化財として一般公開されている。“大正・昭和のロマン”というフレーズにピンときた人には、特におすすめのスポットだ。
一番心に残ったのは「玉姫の間」に併設された「サンルーム」(写真一番下)。ガラス葺の天井からは溢れんばかりの光が降り注ぎ、ステンドグラスの美しさを惹き立てる。床には一面モザイクタイルが敷き詰められ、全体の雰囲気を一層華やいだものにする。
大きく枠どられた窓の向こうには、庭園の青々とした緑が広がる。太宰治をはじめ、この起雲閣に通った名だたる文豪たちも、筆休めにこの景色を眺めたのだろうか。
併設された喫茶「やすらぎ」もまた素晴らしい。ここでは、マーマレードを入れて楽しむ「熱海紅茶」とクッキーのセットを注文した。紅茶を一口すすると、ふわりと柑橘系の甘みが広がる。窓の外に目をやると、遠くの池で紅白の鯉がちらりと動く。大ぶりのクッキーをほうばる。また紅茶をすする。庭を愛でる…。
ペンギンが飛び出す迷宮館に、ロマン溢れる起雲閣。日常から少し離れた場所にこそ、真の安らぎはあるのかもしれない。
Text:水鳥 るみ(フリーランスライター)
起雲閣の基本情報
●起雲閣の公式ホームページ
http://www.ataminews.gr.jp/spot/114/
●起雲閣の入場料
大人:510円/高校生・中学生:300円/小学生以下無料
※湯~遊~バスに乗ると、入場料100円引き
●起雲閣の開館時間
9:00〜17:00(入館は16:30まで)
※喫茶は16:00まで
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