スネアーズペンギン(ハシブト)【特徴・生態】

      2015/02/14

スネアーズペンギンの特徴

スネアーズペンギンは、ニュージーランド南端から南西にある、
スネアーズ諸島で繁殖する唯一のペンギン種である。

スネアーズペンギンは、トサカを持つ仲間と見分けやすい特徴をもっています。
鮮やかな黄色いトサカと、立派で赤茶色のくちばしが特徴的です

スネアーズペンギンの写真

スネアーズペンギン大人の写真

スネアーズペンギン大人の写真davidtro via photopin cc

スネアーズペンギンの生態

基本情報

【英名】Snares Islands penguin、Snares penguin (和名:ハシブトペンギン)
【学名】Eudyptes robustus
・種小名ロブストゥス(robustus)は「力強い」という意味で頑丈なクチバシに由来する。
【分布】ニュージーランド
【体長】51cm~61cm
【潜水能力】不明
【餌】オキアミなどの甲殻類、イカやタコのほか、小魚を食べていると推測される
【繁殖行動】集団繁殖地(コロニー)を形成する。標高70メートル以下で海岸から600メートル以内にある岩場や低木の下、湿原などに2個の卵を産む。
【最初の繁殖時期】6〜7歳と考えられている。
【寿命】21年以上生存した記録がある。
【天敵】ニュージランドアシカ、ヒョウアザラシ、オオフルマカモメ

生息地

ニュージーランドの南方にあるスネアーズ島が唯一の繁殖地である。

分散

単独個体が、スネアーズ島以外のニュージランド近辺の島々やオーストラリア南部で観察された記録がある。
単独個体は、換羽期を除き、2〜8月にかけては繁殖地から離れている。

外観

見分け方

スネアーズペンギンは、フィヨルドランドペンギンとよく似ている。しかし、スネアーズペンギンは、頬に白い線の縞模様がないこと、クチバシの付け根にピンク色の皮膚が裸出していることで見分けることができる。

トサカ(飾り羽)

金色の飾り羽は、太い眉のように見える。側頭部の両側では突きでるように生えそろっていて、後頭部では垂れ下がっている。フィヨルドランドペンギンとよく似ている。

フリッパーの長さ

18.4 cm オス | 17.8 cm メス

くちばしの長さ

5.9 cm オス | 5.2 cm メス

体重

2.5~4.8kg
[11月] 2.8 kg オス | 2.6 kg メス
[冠羽前] 4.3 kg オス | 3.8 kg メス

ヒナ(赤ちゃん)

ヒナは、背面がチョコレート色、腹面がうす黄色がかった茶色。巣立ちヒナの飾り羽は、短く、後方にはわずかに伸びているにすぎない。

習性と行動

採餌

繁殖地のスネアーズ島沿岸で、日中、浅い潜水を繰り返しながら採餌する。小さな群れで行う。

巣作り

繁殖コローは、他のペンギン類と混在しない。海岸から600m以内、海抜70mまでの場所に作られる。
営巣場所には、強い固着性を示す。
森や低木の中、海岸の岩場の上に巣を作る。地中に浅いトンネルを掘ることで巣を作る。巣穴では、草・小枝・小石で他のペンギンとの境界線をつくっている。

換羽

繁殖個体は、営巣地で、3〜4週間かけて行う。
非繁殖個体は、コロニー周辺や上陸場所の岩場で行う。

繁殖

・(繁殖期)8月の終わりから2月のはじめ
5から6月に繁殖地を離れる。8月下旬から9月上旬に戻ってくる。
・(産卵期
巣は密集した茂みの中にあり、少数の巣が寄り集まって小さなコロニーを作る。
9月中旬から10月上旬にかけて、産卵する。卵は2個。
フィヨルドランドペンギンと同様に、最初に孵化するのは、第二卵である。まれに、第一卵も孵化するが、小さいため、餌の取り合いに勝てず、餓死してしまうことが多い。
・(抱卵期
抱卵期間は31日から37日間。オスとメスが交代で抱卵する。
・(育雛期
オスが、育雛期間中、ずっとヒナと一緒に過ごし、ヒナを暖め守る。メスは、毎日、採餌のために海へ行き、夕方戻ってきて、ヒナに餌を給餌する。夜が明けるまで、巣にとどまる。
ヒナは、親鳥の足の上に乗り、抱卵斑に体を密着させて温まりながら休む。
・(クレイシ期
孵化後、3週間ほどで、ヒナは30羽程度集まってクレイシを形成する。
・(巣立ち)1月に巣立ちを迎える。
11週齢ごろになると、小さな群れで海岸へ行き、何度も引き返したすえに、海に飛び込む。

生息状況

・危急種(VU レッドリスト
・推定個体数 30,000 繁殖つがい

スネアーズペンギンの関連動画

スネアーズペンギンと出会える日本の水族館

現在、日本の水族館で飼育されていません。

スネアーズペンギンに似ているペンギンたち

 - ペンギン種類

        

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