ガラパゴスペンギン【特徴・生態】
2015/02/14
目次
ガラパゴスペンギンの特徴
ガラパゴスペンギンは、赤道直下のガラパゴス諸島に生息する唯一のペンギン種。
体内の熱を放出することで、熱帯海域に適応しています。
フンボルトペンギン属の4種の中で、もっとも小さく、あご下の黒い2本のラインが特徴的。
近年、エルニーニョ現象が深刻化し、絶滅危惧種に指定されている貴重な種でもあります。
ガラパゴスペンギンの写真
ガラパゴスペンギンの生態
基本情報
【英名】Galápagos penguin
【学名】Spheniscus mendiculus
・種小名メンディルクス(mendiculus)は「物乞いのような」の意で、ペンギンの中でも小形であることに由来。
【分布】エクアドル
【体長】48cm~53cm
【潜水能力】給餌の潜水:30秒未満(最長79秒)
【餌】主にボラやサーディンといった1-15cmの魚類を食べ、また甲殻類も食べると考えられている。
【繁殖行動】一般には6-9月および12-3月に繁殖活動が多いが、少数は4-5月の雨季にも繁殖する。
【最初の繁殖時期】不明
【寿命】野生:11歳以上の記録あり
【天敵】タカ、フクロウ、サメ、その他の大型海洋動物(卵・ヒナ:カニ、ネズミ、ヘビ)
生息地
ガラパゴスペンギンはペンギンの中で唯一熱帯海域に適応した種である。
生息地はガラパゴス諸島のみ。
ガラパゴス諸島の環境
ガラパゴス諸島は、南米エクアドルの西約900km、赤道直下に位置する火山群島。気温が40度を超える。海水の水温が14度〜29度近くまで変化する。
2つの寒流がガラパゴス諸島に流れこんで、好適な生活条件を形成している。南極から流れてくるフンボルト海流(「ペルー海流」とも言う)と、諸島の西から流れ込むクロムウェル海流だ。
分散
成鳥・若鶏いずれも、年間をとおして繁殖地である海岸にとどまり、ガラパゴス諸島から離れない。
外観
羽毛
胸の上にある2本の黒い羽毛のラインが、脇腹を通って脚まで伸びている。
皮膚の露出
クチバシの付け根と目の周りには、皮膚が露出している。
フリッパーの長さ
11.8 cm オス | 11.4 cm メス
くちばしの長さ
5.8 cm オス | 5.3 cm メス
体重
1.7〜2.5kg
[換羽前] 2.5 kg オス | 2.4 kg メス
[育雛期] 2.1 kg オス | 1.7 kg メス
ヒナ(赤ちゃん)
頭部から背中にかけて茶色、お腹は白色。巣立ちヒナは頬に白い斑点がある。成長にある2本の黒いラインはない。
習性と行動
基本的には、普通のペンギンと同様に、熱が奪われにくい身体の構造している。冷たい海の中で餌を取るため。
冷却行動
・黒い背中は熱を吸収しやすい。暖まった身体を冷たい海水で冷やす。
・イヌでよく見かけるように、クチバシを広く開けて激しく呼吸をする(パンティング)。
・日中は海で採餌し、夜、陸上で過ごす。
・岩の割れ目の中に営巣することで、直射日光を避ける。
・足が日陰になるように、背中を丸めて立つ。両脇の下が日陰になるように、フリッパーを横に広げる。日陰の部分から放熱を促すことができる。
採餌
採餌は寒冷な海流で行う。通常は単独か小さな群れで行動する。
低温の海流が海面近くに来ると寒冷性の小魚群が豊富になり、それを求め200羽もの採餌群が形成されることもある。
巣作り
岩の割れ目や溶岩の亀裂、トンネルなど。日陰に巣が形成される。
換羽
ガラパゴスペンギンは、他のペンギンと異なり、年に2度、換羽する。強烈な輻射熱と寒冷な海水から身を守るために、傷んでいない羽毛が必要になるためである。
換羽中は海で身体を冷やせないが、代わりに大量の脂肪が断熱材となり、体温が高くなりすぎるのを防ぐ。
繁殖
・(繁殖期)
産卵はどの月にも見られる。海面温度が24度以下のとき、より多く見られる。
海面温度が上昇するエルニーニョ現象の影響が広がると、すべての繁殖が失敗することもある。
海水温が上がると、プランクトンもそれを狙う小魚もいなくなり餌不足となるため、繁殖は開始されない。
・(産卵期)
高密度のコロニーではなく、巣は分散している。卵は2個。
・(抱卵期)
抱卵期間は38から40日間。
・(育雛期)
給餌をオス・メス交代で行う。小さな群れで海を移動し採餌する。
ヒナはクレイシを形成しない。
・(巣立ち)
生後60から65日後、ヒナは巣立ちする。
生息状況
・絶滅危惧種 (2012年 レッドリスト)
・推定個体数 3,600-6,000羽 (1998年 web)
ガラパゴスペンギンの関連動画
ガラパゴスペンギンに出会える水族館
現在日本の水族館で飼育されていません。
ガラパゴスペンギンに似ているペンギンたち
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