ヒゲペンギン【特徴・生態】
2016/12/26
目次
ヒゲペンギンの特徴
ヒゲペンギンは、顎の下に「あごひげ」のような黒い羽毛のラインが1本ある、とても可愛い姿をしています。
別名「アゴヒゲ ペンギン (英名 Chinstrap penguin)」とも呼ばれます。
ヒゲ模様の部分が「紐」で、頭の黒い羽毛の模様が「ヘルメット」に見える、と言われることも。
アデリーペンギンと同じように白黒のツートン模様でキマっています。ヒゲペンギン固有のところは、顔が白色で目が赤茶色。皇帝ペンギンと同じ南極大陸に生息しています。
ヒゲペンギンの写真
ヒゲペンギンの生態
基本情報
【英名】Chinstrap Penguin
【学名】Pygoscelis antarctica
・種小名アンタルクティカ(antarctica)は「南極の」という意味。
【分布】南極周辺
【体長】70~75cm
【潜水能力】水深10~40m(最大潜水深度100m)
【餌】ナンキョクオキアミ等の甲殻類、魚
【繁殖行動】夏に繁殖を始める。卵は1個-3個だが、たいていの場合2個
【最初の繁殖期】3歳
【寿命】15〜20年
【天敵】サヤハシチドリ、オオトウゾクカモメ、ヒョウアザラシ
生息地
繁殖コロニーは、南極前線以南にある。ほとんどが南大西洋と南極半島で繁殖している。
繁殖地は、亜南極にあるブーベ島、サウス・サンドウィッチ諸島、サウス・ジョージア等、サウス・オークニー諸島、サウス・シェトランド諸島、ピーター1世島、スコット島、バレニー諸島にある。南極半島では北部からアンバース諸島にかけて見られる。
全繁殖個体の60%以上がサウス・サンドウィッチ諸島で繁殖している。
分散
3〜5月初旬にかけて、越冬のために流氷帯のはるか北方の暖かい海域まで移動する。
外観
フリッパーの長さ
19.2 cm オス | 18.7 cm メス
くちばしの長さ
4.9 cm オス | 4.6 cm メス
体重
3.4〜4.9kg
[繁殖地への帰還時] 4.9 kg オス | 4.7 kg メス
[産後] 3.5 kg オス | 3.4 kg メス
ヒナ(赤ちゃん)
背中から顔にかけて灰色、お腹は淡い灰色。巣立ちヒナは成長と似ているが、顔の模様がまだはっきりしていない。
習慣と行動
採餌
1回の採餌で、半日かけて、コロニーから3〜20kmの海域まで出かける。繁殖中はさらに遠くまで採餌に移動する。
移動
陸上では、よたよた歩き。時々、トボガン(腹すべり)する。
氷山の急斜面側を、足の鉤爪をつかってよじ登る。シャチやアザラシから身を守るためや休息のために氷山に登る必要があるのだ。
性格
単独でいるととても臆病。集団に戻ると仲間どおしで喧嘩。気性もかなりあらくなる。
アデリーペンギン属の中で、もっとも大胆かつ喧嘩好き。
縄張りに侵入してくる個体があると、ジェンツーペンギンのように逃げたり、アデリーペンギンのように自分の場所から動かずにいるのではなく、相手に飛びかかっていく。
巣づくり
繁殖場所は、岬や海岸近くの露出し岩だらけの地面の上や崖の上。
巣は、小石・骨・羽毛で形成される。巣材を積み上げて、直径30〜50cm、高さ5〜10cmの浅いクレーター状の巣をつくる。アデリーペンギンの巣と似ている。
換羽
氷山の上で隠れて換羽する。海岸近くで換羽することも。2月の終わりに13日ほどかける。換羽中は絶食状態である。
繁殖
・(繁殖期)11月初旬
繁殖コロニーに戻ってくる。数千つがいの繁殖個体からなるコロニーが形成される。
アデリーペンギンと混在しているコロニーでは、ヒゲペンギンが営巣場所を勝ち取る。
・(産卵期)11〜12月。2個の卵を産む。
・(抱卵期)
抱卵は33から35日間。オスとメスが5から10日間の抱卵交替を4回と、後半に短めの抱卵交替を行う。
・(育雛期)
生後7〜8週で巣立ちするまで、巣にとどまる。親鳥がヒナに給餌する。
・(巣立ち)3月初旬までに巣立ちが完了する。
生息状況
・【LC】軽度懸念 (2012年 レッドリスト)
・推定個体数 7,490,200 繁殖つがい (Wdehier 1993年 from 国立極地研究所)
<ヒゲペンギンの関連動画>
ヒゲペンギンと出会える水族館
アドベンチャーワールド(和歌山県)
長崎ペンギン水族館(長崎県)
ヒゲペンギンに似ているペンギンたち
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