キングペンギン (王様・オウサマ)【特徴・生態】

      2017/01/04

キングペンギンの特徴

キングペンギンは、世界で二番目に大きなペンギン種で、成長すると全長90cmになります。

キングペンギンは、皇帝ペンギンと同じペンギン属(Aptenodytes属)なので見た目が似ていますが、頭から首にかけてオレンジ色の濃淡が微妙に変わる美しい斑紋が特徴的です。

オレンジ色のクチバシ、黒の背中、真っ白な腹部。はっきりした模様が被写体としての意欲をかきたてます。また、尾羽まで届きそうな長いフリッパーもあります。温暖な地で暮らすキングペンギンは、動物園や水族館で育てやすく、日本でもポピュラーなペンギンです。

キングペンギンの写真

キングペンギンの大人の写真

キングペンギンの大人の写真 brian.gratwicke via photopin cc

キングペンギンのヒナ

キングペンギンのヒナ ASOC Pictures via photopin cc

キングペンギンの生態

基本情報

【英名】King Penguin
【学名】Aptenodytes patagonicus
・種小名パテゴニクス (patagonicus)はパタゴニア地方に由来する。
【分布】南大西洋、インド洋
【体長】85cm~95cm
【潜水能力】322mの潜水記録がある
【餌】ハダカイワシの仲間やタコ、イカ
【繁殖行動】産卵のピークは初夏にあたる12月半ばから1月頃、卵の数1
【最初の繁殖時期】4歳で繁殖をはじめる
【寿命】15 – 20年
【天敵】ヒョウアザラシ、シャチ、カッショクオオドウゾクカモメ、サヤハシチドリ、オオフルマカモメ

生息地

キングペンギンは、南緯45-55度に位置する比較的温暖な亜南極の島々で、コロニー(繁殖地)を形成する。皇帝ペンギンとは異なり、南極大陸で生息していない。
亜種のA.p.patagonicusは、サウス・ジョージア島とフォークランド諸島で繁殖している。
もう一方の亜種のA.p.haliは、ケルゲレン島、クロゼ諸島、プリンス・エドワード諸島、マリオン島、ハード島、マッコリーニ島で繁殖している。

生息地域の分散

キングペンギンの繁殖個体は、コロニーや近くの海岸で生活するが、未成熟個体や非繁殖個体は、陸地からは離れたところで、別々に遊泳している。

生息地の共有

キングペンギンは、巨大なゾウアザラシと海岸を共有しなくてはならないことがある。
海で早く動けるゾウアザラシは、陸上での動きが遅い。陸にいるゾウアザラシはペンギンを捕食しようとしない。

外観

換羽

14ヶ月以上の繁殖期の後、海岸で群れを成し立った状態で換羽する。換羽には1ヶ月ほどかかる。
換羽中は海に入れないので、じっと耐え体重が半分になってしまうことも。
換羽と同時に、キングペンギンの下くちばいしの「嘴片」も新しくなる。

ヒナ(赤ちゃん)の換羽

キングペンギンのヒナは、換羽してから巣立ちする。
いったん親くらいに大きくなったヒナが、換羽のため冬に絶食状態になり体重が2/3まで減る。
巣立ちの時期は、生まれる時期がバラつくので10月末〜4月初めまでの長期に及ぶ。

フリッパーの長さ

34.3 cm オス | 33.1 cm メス

くちばしの長さ

13.7 cm オス | 12.9 cm メス

体重

8.0〜16.1kg
[つがい形成初期] 16.0 kg オス | 14.3 kg メス

習性と行動

泳ぎと潜水

コロニー近くの海では、群れを形成する。沖合では、小集団または単独で行動する。
100-300mの深海に潜り、日中に餌を取る。
繁殖期間中、5〜7日間ほど餌取りに費やした後、巣に戻る。

群居性

繁殖コロニーでは、非常に密集した群れを形成する(群居性)。
繁殖個体、休息している個体、換羽中の個体、非繁殖個体と分かれて、群れを形成する。
寒い天候下でも、皇帝ペンギンのように体を寄せ合う「ハドル」を形成しない。

喧嘩

戦うときは、フリッパーを上げて相手にお腹でぶつかったり、フリッパーで殴ったりする。
「はばたき」は、他の個体への警告を意味する。

繁殖

・(繁殖期
繁殖時期になると、キングペンギンは、群れとなって「コロニー」と呼ばれる巨大な集団を作る。
コロニーの中で繁殖が行われる。巣は作らない。

繁殖コロニーは、海岸、雪や氷がない谷間に形成される。とくに水平な土地や低地が好まれる。
1つのコロニーに1万羽以上が密集している。コロニーは、ラッパのようなけたたましい鳴き声でうるさい。

・(産卵期)12月中旬〜2月初め。
大きな卵を1個だけ産む。恵まれた条件下では、3年に2回繁殖できる。

・(抱卵期)約54日間。
オス・メス交替で54日間ほど抱卵する。ツガイの絆は弱い。
抱卵と育雛が親鳥の足の上で行われる。皇帝ペンギンと同様に。

・(育雛期
卵が孵化した後、ヒナたちは、生後8週間になるまで親の足の上で過ごす。
お腹が減ったヒナは、口笛のような音で騒々しく鳴きわめく。親のクチバシから食べ物をもらう。
オスとメスの交替で育雛は行われ、クレイシが形成されるまで続く。
コロニーの中は、ペンギンたちの排泄物がそこら中にあり、非常に不快な臭いで覆われている。

・(クレイシ期
その後、ヒナは、両親が食べ物を捕獲しに行っている間、クレイシという飼育場に入る。
クレイシには、たくさんのヒナが群れていて、その中に、1羽の大人のペンギンがクレイシ全体を見張っている。採餌中の見張り役をしているのだ。

この時期のヒナたちは、両親が採餌から戻ってくるまで、体力と体温を保てるだけの十分な体脂肪を持っている。

・(巣立ち
キングペンギンのヒナは、ふわふわした柔らかい茶色の羽毛をしている。柔らかいヒナの羽毛は、生後10週間になるで、大人の羽毛に生え変わる。海に餌取りに行く準備が整うと、ヒナたちは自力で生きていけるようになる。

生息状況

・軽度懸念 (2012年 レッドリスト)
・推定個体数 1,638,000 繁殖つがい (NEA 1998年 web)
・個体数 107万羽 繁殖つがい (from 国立極地研究所)

キングペンギンの動画

キングペンギンと出会える水族館一覧

■登別マリンパーク ニクス(北海道)
■旭川市 旭山動物園(北海道)
■男鹿水族館 GAO(秋田県)
マリンピア 松島水族館(宮城県)→閉館
■仙台うみの杜水族館(宮城県)
鴨川シーワールド(千葉県)⇒ 詳しく見る
■アクアパーク品川(東京都)
横浜・八景島シーパラダイス(神奈川県)⇒ 詳しく見る
■伊豆・三津シーパラダイス(静岡県)
下田海中水族館(静岡県)⇒ 詳しく見る
■南知多ビーチランド(愛知県)
■豊橋総合動植物公園 のんほいパーク(愛知県)
■二見シーパラダイス(三重県)
■越前松島水族館(福井県)
■海遊館(大阪府)
■城崎マリンワールド(兵庫県)
■アドベンチャーワールド(和歌山県)
■マリンワールド 海の中道(福岡県)
■長崎ペンギン水族館(長崎県)

キングペンギンと似ているペンギンたち

 - ペンギン種類

        

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